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生活の変動から長らく更新できる状態ではありませんでしたが、正式に更新を終了します。
新たな生活に漕ぎ出すためにもやりたいことをガンガン増やしているので、そちらに時間を使いたいと思います。
colorfulは今後も継続します。
本ブログは7月下旬を目途に閉鎖します。
ありがとうございました。

介護疲れが著しかった今月は本が全く読めていないので更新はお休みします。
弊社同僚家族のあいだでばたばた入院したり子供が熱出したので帰りますとかいろいろ聞くこの頃です。
健康に気をつけつつ、どうぞご自愛ください。

諸事情で本が読めず体調もすぐれないため今月の更新は休止します。来月はできたらやりたいと思います。
よろしければまた来月お越しください。

6/16~6/24の間閲覧不能状態でした。この期間に読もうとしていた方がいらっしゃいましたら申し訳ありませんでした。まだ続けていく所存です。

葬儀屋にしまつ民俗異聞 鬼のとむらい 夕鷺かのう

似矢西待(にせや・にしまつ)23歳。
絶対に家業(葬儀屋)を継ぐまいと思うも今日も葬儀の場に出ている。西待のそばには、少年といっても通る容姿の年の離れた兄、東天(あずま)が常に存在する。彼は民俗学(および民族学)に詳しく、葬儀にまつわるいろんな知識を弟に垂れ流していた。
兄は実に優秀だったがのっぴきならない事情で跡目候補から外れた。西待は家業を継ぐ条件として、実家を継ぐまでの間特殊葬儀、フリーの葬儀屋として全国を巡ることに決めた。しかしメールフォームから届く依頼は犯罪の片棒を担がせるつもりのものばかり。
ようやく届いたメールは「先日亡くなった嫁の弔いをしてほしい」というものだ。
西待と東天は片道6時間半かけて東北地方の山奥へ飛んだ。

読み進めるほどに明かされる事実(ちょっとびっくりする感じの)とか、一見では分からない「人の悪意」とか不気味さとか、土着の文化とか冥婚とかそういうのが好きな人にはぜひともおすすめしたい1冊。
東天兄さんが結構口がたつ人で、掛け合いが相当楽しい感じなんですが、楽しい掛け合いからの落差! っていうのも温度差がすごくてよいです。
ちなみに葬儀屋が舞台装置なので死体描写や葬儀に関する描写がそれなりの分量で存在します。人死にを扱った物語は苦手だとか、近親者を亡くしたばかりとかそういう人は要注意でお願いします。

犬飼いちゃんと猫飼い先生 ご主人たちは両片思い 竹岡葉月

先日おいしいベランダが完結して後日談等短編集と同時刊行された新作。

転勤族の家庭に生まれ定住をきっかけに愛犬(名前はフンフン)と暮らし始めた三隅藍。
同じ動物病院に通っている犬にトラウマがある猫派鴨井心晴(愛猫の名前はキャロル。子どものころからずっとともに育ってきた)と出会い、「フルネームさえ知らないが気になる存在」から「お互いのペットを介した友達」となる物語です。女子高生と24歳生物教師の、今は友達どまりだけどゆくゆくは恋愛ものになるだろうと思われます。雰囲気はいつもの竹岡葉月作品で、いつもと違うのは飼い犬飼い猫視点の章もあるところです。
日常ものです。事件らしい事件は起こらないし犬猫が人間の姿を得ることもありませんが、ペットを飼ううえで避けては通れないことは大体起こります。

さて2か月ぶりの通常更新です。コロナ以降めっきり遠のいてしまった舞台です。

僕たちの幕が上がる 辻村七子

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バディストーリーと銘打たれているもののメインはカンパニー(顔合わせ~読み合わせ~舞台稽古~初日およびそれ以降)での物語。
ニチアサ出の身若手俳優 二藤勝に今をときめく人気の脚本・演出家鏡谷カイトからオファーが届いた。エンタメ性の高い時代活劇の主役、渋谷にある大きめの劇場で15公演、勝の得意な殺陣が多いというあまりにも破格の好待遇だ。

勝が舞台俳優としてどのように育っていくのか(育てられるのか)見られるのがいいし、時々目にしていた「暖簾を贈る文化」がどういうものなのか知れたのもいい。初日公演の模様も読めるので、2.5次元舞台通っている人には大変おススメの1冊です。客電が落ちた後の視界、スタオベの空気、舞台の感想を話しながら帰る余韻、自分は知っている。

電子書籍:○

仏果を得ず 三浦しをん

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本書は上方(大阪)で成立した古典芸能、文楽の義太夫(物語の語り部)健と三味線(物語のすべての劇伴を担当する)兎一郎の物語だ。
師匠の指示で組むことになったが、兎一郎は「実力はあるが変人」という評価が文楽の技芸員の間で一致している。大阪と東京をひと月ごとに行き来しその合間で地方公演へ赴き芸の道に精進する。こっちは間にちょいちょい男女のあれやこれやの機微の話が多く含まれる。古典芸能だしととっつきにくさはあると思うが、面白い芸能なのでぜひとも一度ご覧ください。
今なら動画配信で手軽に見られる演目もあります。
【錦秋文楽公演】動画配信中!! | 独立行政法人 日本芸術文化振興会
「蘆屋道満大内鑑」や作中で登場する「ひらかな盛衰記」が見られます。

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文楽参考図書としてはこちらがおすすめです。

赤×ピンク 桜庭一樹

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東京・六本木、廃校になった小学校の中庭は夜毎に熱気であふれる。八角形の檻を照らす眩しい光、派手な衣装に手錠を付けた女性による非合法キャットファイトが行われている。完全会員制ガールズブラッドのリンクに立つ3人の女性の物語。
「まゆ」「ミーコ」「皐月」はそれぞれこの地下キャットファイトクラブで生きることや格闘技について考えたり悩んだり魅せられたりしながら今夜もリンクに立つ。

サーカス団長シェイクスピア 紅玉いづき

サーカス団長 シェイクスピア(紅玉いづき) – カクヨム

先日コミティアで告知され、カクヨムで連載が開始された「ブランコ乗りのサン=テクジュペリ」の前日譚です。

震災復興目的で湾岸地域へ誘致されたカジノ特区には客寄せの少女サーカス団がある。
花形の演目を任されるのは曲芸学校をトップ卒業したエリートのみ。ブランコ乗りのサン=テクジュペリ、猛獣使いのカフカ、歌姫アンデルセン、彼女らは文豪の名前を戴き演目を背負う。花の命のようにほんのわずかな間、曲芸子としてスポットライトを浴び、新たな曲芸子へ代替わりする。

「サーカス団長シェイクスピア」で語られるのはその少女サーカス団が産声を上げたころの話。彼女らはどのようにして文学者の名前を背負うことを決めたのか、今は夜毎に満席となる公演の、最初はどうだったのかというのが読めます。

今のところ毎日更新で第2章からはゆっくり更新とのこと。これだけでも読めます。なお今作は商業ベースの作品ではないので「本になったら読もう」ではいつになるか分からないしその日が来るかどうかも分からないので、この冬のおともに是非。アプリなら更新通知が来るしブラウザからだったら縦書きで読むこともできます [1]アプリでは縦書き表示はできません

サーカス団長シェイクスピアの話をしたので、コミティア138で発行されていた同人誌の話をします。

紅玉いづきさん主宰同人サークル「少女文学館」の新刊として装丁がすごい本と、一定年齢以上の少女小説読みの間で話題沸騰の本が出ました。

「黄金と骨の王国」栗原ちひろ

少女文学で連載されていた作品が書きおろしをあわせて1冊にまとまりました。小口がすごい勢いで輝く本です。

黄金に輝く赤字本というツイートをコミティア後ものすごくよく見た。
黄金と骨の王国 – 栗原移動遊園売店 – BOOTH
ここで買えます。11月25日現在在庫なしですが、現在追納中でそれが完売後は電子書籍へ移行だそうです。

現代怪談百物語 紅玉いづき

はと文庫オンラインvol.9 怪談と新作スペシャルで触れた池袋裏百物語の関連作、Twitterで連載していた怪談の再録本で、基本そのままで「あとがきにかえて」が書き下ろしです。

この本は「本文真っ黒本なんですが、黒い紙に白インクではなく、白い紙に全ページ全面ベタを敷いたのだ……それで明朝体がくっきり出ている。エグい」という仕様の本です。

現代怪談百物語 – 栗原移動遊園売店 – BOOTH
ここで買えます。

「五月物語」「五月日記」津原やすみ

講談社X文庫ティーンズハート「あたしのエイリアン」が紙で復刊しました。最近は電子書籍で絶版本の復刊が時々見られるようになりましたが、紙で復刊はまだ珍しくロマンの塊みたいな1冊ですね。

こちらは津原泰水さんのboothで購入できます
五月物語&五月日記(プレミアム版) – 津原泰水文章講座 – BOOTH
プレミアム版は直筆サイン入りかつクリアファイルがついてきます。

同人誌の自由さを感じる3冊を紹介して今号は終わります。

References

References
1 アプリでは縦書き表示はできません
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