こんにちはこんにちは! 約半年ぶりの更新です!
9月を最後に更新が止まっていたわけですが、その間私の人生もかなり疲弊と悲哀のどん底でしてね。
ここしか読んでない人っているんだろうかと思いつつもこの半年間何があったかと言うと
10月……母がかかりつけ医から救急搬送されてそのまま入院した
11月……母が亡くなった
12月……線香のにおいの中で生活しながら白目をむいて供養と相続業務
1月……同上
2月……父が亡くなった
3月……線香のにおいの中で生活しながら白目をむいて供養と相続業務
4月……父方祖父の相続が綺麗に終わってないことが発覚。概ね20年~30年ぶりに会う父方の親戚と「よく揉めた祖父の相続」第2回戦Fight!
これまでの手続きはすべて何とかしてきたわたしもさすがに子r頃が折れた。友達の伝手を借りて司法書士さんを召喚した。

相続まだ現在進行形です。思わぬ落とし穴で手続き1個振出しに戻ったので何母のほうも終わってません。
終わるの多分最短で8月です。
さすがに長期戦も長期戦なのでもう息切れしていたので人参が欲しい人参がないと死ぬと思ったので、同人誌を作って自分で頒布することを決めました。
文学フリマ大阪12に参加します! | colorful
ここ数年ずっと言っていた「このライト文芸がすごい!」と「これで君も喪主だ相続密着ドキュメント」を出しますのでよろしくお願いします。マチアソビまとめ本も多分出すと思います。
最近ようやく本が読めるようになりました。

 

では以下は通常営業に戻ります。

竜胆の乙女 わたしの中で永久に光る/fudaraku

竜胆の乙女 わたしの中で永久に光る 

第30回電撃小説大賞大賞受賞作

これを電撃に出そうと思ったのはすごいと思ったし、賞を取ったので電撃の懐も広い。
なんていうか、不思議な物語だったんですよ。手触りが服部まゆみのこの闇と光に似てる。

明治の終わりの頃である。
先代が亡くなり菖子は2代目竜胆となるべく金沢にやってきた。やってきたのは見事な庭園を備えた大きな屋敷だ。そして菖子に仕えるのはいずれも目が覚めるような美男子の藤潜(ふじくぐり)、惜菫(せきすみれ)、八十椿(やそつばき)、ほかにも下男が数人いる。「菖子です」と名乗ると「お嬢様の名前はこれから竜胆、本名を名乗ってはいけない」と血相を変えて震える声でたしなめた。
竜胆はこの屋敷で「おかととき」と称する異界からの御客人をもてなす役割を果たす。そして藤潜、惜菫、八十椿は自身を差して商物だという。人間に向かって商品とはなんて悪趣味な冗談と訝しがる竜胆に事実だという。
「竜胆としての業務」は手本として最初は自分がやるからと檜葉が竜胆に伝えた。とにかく声を出さないこと、それにおかとときの興を削がないことを厳命された。
そして訪れたおかとときは何とも言い難い生き物だ。生き物というのがふさわしいかもわからない、闇がかたちを得たような得体のしれない何かだ。凝視すれば恐怖が全身を包む。そんなものが30以上押し寄せた。
そしてその「おかとときのもてなし」とは、先ほど「商物」と称した3人に苦痛と恐怖を与える残酷な戯れだ。時間さえ立てば傷は癒える。おかとときの機嫌を損ねない。ただそれだけの時間だ。竜胆はこれに慣れよと言われる。

読んでるとこう、違和感がある物語なんですよ。あれ……? と思っていると場面が転換する。出版にあたってある程度改稿はされてるだろうけど、こういう手触りの作品がデビュー作で出てくるのはすごいことだと思う。
次回作も楽しみにしている。
なお本作は残酷描写がまじで残酷描写なので、苦痛を伴う重傷、例えば「トンボの羽をむしるように腕がもがれる」みたいなものが読めない人はちょっとご注意いただいた方がよいかと思われます。

98万円で温泉の出る築75年の家を買った 高殿円

98万円で温泉の出る築75年の家を買った – takadonomadoka – BOOTH

高殿さんは以前も家に関する本を出されていた。
35歳、働き女子よ城を持て!

しかしこちらは同人誌である。実用性のあるエッセイである。
高殿さんちのエレベーター大好きな息子さんはそろそろ大学生になる。子育てとしてはもう終盤も終盤に差し掛かった。
ところでわたしは高殿さんの育児エッセイ(同人誌)も読んでいたのであの時に読んだ子が、柏餅にINしていたあのお子さんがもうそんなお年になるのかと「よそさんの子どもは大きくなるのが早い」(そんなわけはない)を感じていた。

コロナ禍をきっかけに外出制限や渡航制限があり海外へはどこにも行けない世の中がはじまり、人生がつまらん労働を支える楽しい何かが欲しいと考えた高殿さんは見つけた。温泉である。
日本中ありとあらゆる温泉地に行った。草津、道後、長野、北海道、有馬、いろんなところにいった。マンスリーマンションに住まい現地の個人商店などで話を聞き、作家ということは一言も出さず地道なリサーチを積み重ねて伊豆に家を買った。
98万円で。
98万円の物件を買うに至るまでの軌跡が本書です。

ちなみに本書は大阪を中心に一部リアル書店でも買えますが、基本的には同人誌なので紙でほしい方はぜひ今のうちに買うだけ買っておいてください。電子書籍もboothであります
【電子書籍版】98万円で温泉の出る築75年の家を買った – takadonomadoka – BOOTH