いろいろあって体調が改善したせいか今月から突然読書が捗るようになっていろんな本をたくさん読んでいます。本を読むのって楽しいなあと数年ぶりにかみしめています。
そんなわけで今月はミステリ特集。今後も何回かやると思うので、今回はナンバリングをつけました。

女王オフィーリアよ、己の死の謎を解け 石田リンネ

ファンタジー世界のフーダニット

若き女王オフィーリアはある夜殺されてしまうが、王冠に住まう古の契約と呪いにより10日限定で生き返る。再び現世へ戻るにあたり望みを聞かれオフィーリアは「自分を殺したのは誰なのか」と答えた。
10日間残された猶予でオフィーリアは犯人の特定や後継(弟)の育成に勤しむ。生前は夫デイヴィッドのことや様々なことで自分を殺していたが、たまたま生きているだけの今は最早誰に気を遣う必要もなく好きなドレスを身に着け容赦なく平手打ちをぶつける。

春期限定いちごタルト事件 米澤穂信

先日第166回直木三十五賞を受賞した米澤さんの日常の謎シリーズ。
小鳩君と小佐内さんは今日も小市民を目指す。なんでも推理してしまうその癖から苦い経験をした小鳩くんと似た境遇の小佐内さんは名探偵になどならずつつましく、と思うものの目の前には次々に謎が現れる。スイーツに執着しある時は復讐に燃える小佐内さんと小鳩くんの物語。

基本的には連作ミステリの短編集。最新作(書籍)は巴里マカロンの謎、最新作(短編)は「羅馬ジェラートの謎」(紙魚の手帖vol.2)

GOSICK 桜庭一樹

占い師の死からはじまる豪華客船での殺人事件

20世紀初頭、第一次世界大戦後のヨーロッパの小国ソヴュールにある聖マルグリット学園が舞台。東洋から招かれた留学生久城一弥は図書館の一番上の植物園に謎やお菓子をせっせと運んでいた。そこには人形と見紛う美貌と明晰な頭脳を兼ね備えた少女、ヴィクトリカが本を読みながら退屈を紛らわせる新たな謎を待っている。

本作は富士見ミステリー文庫で産声をあげ、レーベル終了後は角川ビーンズ文庫と角川文庫両方で刊行された。完結まで刊行されているのは角川文庫版のみ、挿絵ありは富士見ミステリーもしくは角川ビーンズのみ。
GOSICK REDにはじまる色の名前を冠している数冊は第2部(もしくは続編)のため読むなら「GOSICK」と数字で始まるものを。数冊あるGOSICKsというタイトルは短編集なので1巻に限ってはここを入り口にしても大丈夫です。

invert城塚翡翠倒叙集 相沢沙呼

倒叙ミステリ。

実行される殺人、アリバイは完璧、これで事故として処理される。そう思った犯人のもとに城塚翡翠が現れる。彼女は霊能力があるというのだが。
犯人の視点から描かれた中編集。彼らが組み立てた犯行はどのようにして露見するのか。

前作「medium 霊媒探偵城塚翡翠」のネタバラシがあるため、未読の場合はぜひともこっちを読んでからinvertを読んでほしい。